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よくある質問
音声変化(省エネ発音)について

よくある質問をまとめています。
解決しない場合はお問い合わせ よりご連絡ください。

Q. 音声変化というのは「崩れた」発音だと聞きました。特殊な訛り(なまり)のようなものとは違うのですか?
A. どういう意味で「崩れた」発音と言うのかわかりませんが、モゴモゴバスターで取扱うレベルの音声変化は日々の生活でひんぱんに使われる、万人に受け入れられるものです。テレビドラマの省エネレベル、映画で言えば PGレーティング(Parental Guidance:やや問題となるシーンあり。児童の保護者による内容確認を推奨)のレベルと考えてください。普通の人のカジュアルな会話がわかるようになりたければ、このレベルの音声変化は覚えるしかありません。
音声変化は一人一人が自分の癖でいい加減に崩して発音しているのではありません。英語ネイティブに 「スピーチするときみたいに話して」と指示をして端正な、いわば「です・ます調発音」で話させ、 次第にリラックスした口調にしてもらうと 誰がやってもほぼ似たような音声変化を起こします。
もちろん人によっては音声変化をあまりさせない人もいるし、音声変化自体にもバリエーションはあります。映画や海外ドラマで耳を鍛える場合は、最初は1人か2人の音声変化をしつこく聴きこみ、その後少しずつ多少のバリエーションを聴き取る訓練を重ねることで、モゴモゴバスターでは登場しなかったさらに広い範囲のバリエーションにも耳がついていくようになります。
モゴモゴバスターの吹き込み者たちの発音は General American (GA: アメリカ標準発音)と言われる地域色のない中間的な発音、テレビネットワークのニュースキャスター達が使う発音です。日本で中学校から教わる英語もこの GAです。ですから私たちの大半が教わってきた発音の延長線上にあるカジュアルな発音であり、特殊な訛りではありません。
一方、 音声変化の度合いが極端に激しくなっていくと「崩れた」と言ってもよいような、極度に不明瞭な発音になることも確かにあります。 このような発音は最近のアメリカ映画の一部に時々現れます。古いハリウッド映画では登場しなかった発音です。現実生活でもいい加減な発音をすることがありますが、それをそのまま映画に持ち込んでいるのです。こうした発音は、個人的クセもあり、とりあえずは学ぶ対象から除外してよいと考えます。
Q. マネすると自分の発音が崩れるのでは?
A. この可能性はあります。それを避けるためにも中学以来の端正な「よそ行き」発音の基礎ができている必要があります。 「よそ行」発音を変化させていったものが省エネ発音ですから、基礎ができていないと、なんとなくラクをした自己流の口の動きになり、ただの「いい加減な発音」の英語になりかねません。自分で話すときは、基本的には明確な「よそ行き」発音できちんと話したほうがいいです。 モゴモゴバスターで音声変化を真似してリピートするのは、あなたが自分でもモゴモゴと話せるようになることを目的としているわけではありません。 この点についてはこのよくある質問の「なぜリピートするのですか」を参照ください。
Q. ひたすらたくさん聞けば音声変化も自然にわかるようになるのでは?
A. ひたすらたくさん聞く方法、つまり多聴では音声変化はわかるようになりません。音声変化を聞き取る能力は多聴ではなく、 ワンセンテンスの細部まで一部分も落とさず聴こうとする精聴で身につきます。あなたが聞き取れないタイプの音を徹底的に耳に刷り込むことが必要だからです。 今まであなたの頭の中に存在しなかった音を、その音のスペリング(文字)とともに覚えこむ、 脳に新しい神経回路を 作るということです。音声変化する音とスペリングにはパターンがあるので、 それぞれのパターンごとに集中的に繰り返し聴くほうが、当然、覚えこむのは早くなります。
ちなみに 精聴トレーニングではディクテーションをすると非常に効果大です。書き取るためには耳を最大限こらす必要があり、またどこまで聞けたか一目瞭然だからです。 モゴモゴバスターも精聴の教材ということになりますがセンテンス全体を聴き取るのではなく、ターゲットとする音声変化の部分を取り出して聴き取り訓練を行うため、ディクテーションの必要はありません。 無駄なく確実にリスニング能力を伸ばすには多聴と精聴を意識的に使い分けることが大事です。最近、多聴が万能であるかのような誤解がありますので、 多聴についてここで整理しておきます。リスニング学習の参考として下さい。 多聴が効果がある代表的ケースを4つ。そしてこうした多聴では音声変化を学べない理由です。
(1)英語の音そのものに慣れるための多聴 学校英語の基本的な文章は読めるが聴くとわからない、というリスニング初級者や、発音矯正の必要な人向け。速度の遅い、短文からなる会話などを繰り返し聴くことで、文字で知っているセンテンスとスペリングに忠実な「よそ行き」発音の音が結びつくようになる。文字と実際の音をひもづける点は音声変化学習と似ているが、音の変化も最小限、スピードも遅く、カジュアル会話の音声変化の聞き取りはまだまったく射程外。
(2)英語を英語のまま理解する訓練としての多聴 英文をいちいち日本語に直したり、構文を分析したりするクセから抜け出し、英文のまま、英文の語順で理解する訓練。会話調のものなら、同じものを何度も多量に聞き込み、さまざまな表現のパーツを自分のものとすることで、和文英訳せずに自己表現をする訓練にもなる。スピードも遅く、リスニング初級者向けなので、音声変化聞き取りはまだ射程外。
(3)大意把握の訓練としての多聴 長文の速読理解を耳で行うようなもので、非常に大切な訓練。短文の多い会話よりは、ニュース記事やコメンタリーなど、長めの文からなる素材が構文力を駆使する必要があるので効果大。もちろん、日本語訳せずに文のアタマから耳に入ってくる順に理解して大意把握する。構文力や語彙力のレベルにより、かなり細かいところまで把握できる場合と、おおざっぱで当て推量に近くなる場合がある。現実世界では推量が必要な状態は必ず起こるが、当て推量は避けたい。当て推量のクセがつくと、きちんと聴けばわかるものも、いい加減ですます悪い癖がつきかねない。なので、リスニング素材のテキストを読んでみて、自分の現在のレベルより、ほんの少しだけ上のものを使うのが最適。 大意把握にエネルギーを傾けるので、聞こえにくい部分の単語、まして発音の細部まで気を配っていられない。モゴモゴした音声変化の部分は聞き逃して追求しないままとなる。 (素材的にも、カジュアルな音声変化はあまり登場しない。)
(4)上級レベルにおいて表現や語彙をインプットするソースとしての多聴 英語の総合力が上級レベルの場合、多読と多聴を通じて何度も出くわす英語らしい表現は自然にインプットされて自分でも使えるようになっていく。 そのための多聴。これも音声変化は追及しないまま。 ですから通常の多聴トレーニングでは、音声変化がわかるようにはならないままなのです。 上の (3)や(4)の多聴の場合で、聞き逃した細かい部分を何度も繰り返して聴けば、これは精聴になり、音声変化のリスニング訓練として使えます。
Q. 高周波音教材とは違うのですか?高周波音教材では音声変化はわかるようになりますか?
A. モゴモゴバスターは高周波音教材ではありません。英語の自然な音から低周波音をのぞいて高周波音を強調したり、あるいは音楽などを利用して高周波音をとらえる脳を育てる。そういった試みは教材に含まれていません。あくまで、ありのままの英語の発話で、音が変化しているものを素材に使っています。 日本語に存在しないため、聴くときに無意識に排除してしまう英語の子音に対する耳を作る、という点では「高周波音教材」は優れたアプローチかも知れません。たとえば、語尾や語中の破裂音や破擦音が以前より際立って聞こえるようになる、そのためにセンテンスの中で聴き取りのカギとなる部分が増えて理解力も増す、などの効果はあるかも知れません。 しかし、音声変化は音自体が変化しているのですから、子音を敏感にキャッチできる耳ができただけではカバーしきれません。 高周波音教材は日本語に無い音そのものに敏感な耳を作るもの、 モゴモゴバスターは音が変化してカタマッテ聞こえる部分の意味が理解できるようになるもの、と区別できます。
Q. スピードをソフトなどで調整して聞く方法で音声変化がわかるようになるのでは?
A. 中学以来のきちんと「よそ行き」発音で読まれたセンテンスの速度をあげても、ただの早口になるだけで 音そのものは変化しません。ニュースのリスニングなど、速度の速い英語を理解する訓練にはなりますが、音声変化のリスニングには役立ちません。 逆に省エネ発音を遅い速度に変換して聞いても「早いモゴモゴ」が「ゆっくりしたモゴモゴ」に 聞こえるだけのことです。モゴモゴしたかたまりは解きほぐせず、聴きとれないままです。
Q. 音声変化=タメグチ、学校英語の発音=「です・ます調」と、はっきりと線を引けるものでしょうか?学校英語でもリエゾンなどの発音は教わるのでは?
A. おっしゃる通り、音声変化は日本語のタメグチと「です・ます調」のように 100% 明確に区別できるものではありません。 音の同化やリエゾン(音の連結)といった音声変化のうち、ごく初歩的なものは学校英語でも少しは習います。このレベルの音声変化は、使わないとかえってガチガチした不自然な英語に聞こえがちだからです。 具体例をあげると...

don’t you は ドンチュー 
did you は ディッジュー
far away は ファーラウェイ

...などと教わった方も多いでしょう。
また、 学校では習わないけれどフォーマルな状況でも普通に使う省エネ発音もあります。音声変化はラクをして発音するための発音ですから、少し早口になれば フォーマルな場であっても、自然に起きるものです。
たとえば・・・

I know him. が I know 'im. I saw her. が I saw 'er. いっぽう、フォーマルな場面では、まず普通は使わない音声変化もたくさんあります。
モゴモゴバスターでは学校英語、またその延長の実用英語教育では教わらない音声変化を まんべんなく集め、系統だてた聞き取り訓練をします。
Q. なぜリスニング教材なのにリピーティングが必要なのですか?
A. 次の二つの理由です。
1. 自分でもそれなりに近い音を出せるようになると、その音が脳の中にストックされやすい。よって次回聞いたときに判別しやすくなる。 逆に自分でまったく出せない音というのは、耳に入ってきても脳は知らない音、雑音として処理してしまう。「自分で発音できない音は聞けない」という説もありますが、それは大げさです。「それなりに近い音」で充分です。
2.センテンスの強弱のリズムを意識しながらこれを真似することで、リズムの弱い谷間部分で起きる省エネ発音のカンドコロが身につく。
短めのセンテンスのリズムを、リピートしながら次々と体で覚えていくうちにどの部分をサラリと流すか、どこに重きを置くかといった感覚が身についてきます。この感覚が極めて大切で、省エネ発音が起こるべき場所で起こるべくして起きる、その感じがわかってきます。これが自分が聞く立場に回った時に大変役立ちます。
Q. 音声変化を日本人が使うと変でしょうか?
A. 音声変化の中には、日本人であっても使ったほうがネイティブにとっても、より自然でわかりやすい英語に聞こえるものもありますし(音の連結、音の同化の一部、人称代名詞の語頭の H が弱まる等々) 、場所や相手との関係を考慮しないと妙に慣れなれしく聞こえるものもあります。
またあなたの使う語彙や表現と音声変化のレベルがマッチしないとバランスが欠けた奇妙な英語に聞こえてしまうこともあります。(リラックスした会話なのに、カタメの大げさな単語を使う、など。)
さらに、基本の「よそ行き」発音が不安定な人が、音声変化を自分で話すときに使うと、全体的印象としてなんとも怪しげな判り難い発音になる可能性もあります。
ですから、上に挙げた音の連結などの一部の音声変化以外は自分では使わずに、「よそ行き」発音中心に きちんと話すのが、充分自然で一番安全ということになります。
とは言え、言葉というのはマネや失敗を繰返しながら、そこから学んで伸ばしていくもの。どの程度の失敗を犯して平気でいられるのか、 あなたの性格がポイントかもしれません。英語の総合力があって、ある程度まんべんなくいろいろな表現や語彙を使える、そういう人が状況にふさわしい中で音声変化を使う、相手の反応を見ながら冒険していくというのはいいかも知れません。音声変化を知らない日本人から見たら、あなたが「モゴモゴ?」とやって、英語ネイティブが「モゴモゴ!」と返すのを見れば、ものすごくカッコよくみえるでしょうね。でもフォーマルな場面では調子にのって使わないようにしましょう。
Q. 省エネ原則というと文法を思い出して。。習うより慣れろで感性だけでマスターできないものか?
A. 「原則」というと何か暗記しなくてはいけないのか、英文法のルールのようなものだろうか、と引いてしまう人もいるかもしれません。 Part 1で登場するこの原則、無理に覚える必要はありません。「習うより慣れろ」をできるだけ効率的に行うためにグループ分けしてある。そのグループ分けの道具として「原則」を使っている、と考えてください。
たとえば、あなたが原則を覚えるのは嫌なので、原則について書いてある箇所を飛ばして音声ファイルだけ聴いたとしましょう。さまざまなセンテンスで現れる音声変化がしっかり耳にこびりつくまで聴き込みさえすれば、あなた自身はルールが嫌いでも、あなたの脳のほうは同様の音をまとまってインプットすることで、その音声変化のパターンを脳の引き出しの一つにまとめてしまっておいてくれます。
ランダムに登場する音声変化を片端から覚えていくのは回り道です。音が変化するパターンがあるのですから、これを活用してグループ分けして、グループごとに集中的にやっつけていけば頭にも焼きつきやすいし達成感も増します。いきあたりばったり覚えていくより絶対効率がよいです。
わかりやすい地図があるのにわざわざ迷って時間を無駄にしたり、ゴールにたどり着かないことを望む人はいないのではないでしょうか。原則は可能な限りシンプルにまとめてあります。
Q. 音声変化をグループ分けしてあるといっても、すべての音をカバーできないのでは?
A. おっしゃる通りです。複数の単語の間で起きる音声変化などは、日常的な頻出語の組合せだけでも相当の数が作れるでしょう。しかし脳というのはよくできたもので、ある一定量の音声変化が頭のデータベースに整理されてしまうと、あとはモゴモゴバスターに登場したのとは違う単語の組合せでも、応用を利かせてくれるようになります。さらに言えば、音声変化が特に顕著なのは前置詞や代名詞、接続詞といった機能語ですから、そのまま登場するものの数も相当あります。
いっぽう、あなたの脳にこの応用能力を発揮してもらうには、あなたの側からの手助けも必要です。それは直読直解力や構文力、基本語彙や表現の知識です。モゴモゴしたカタマリとその前後の言葉を耳にして、モゴモゴの音にはどのような候補があるか、どの候補ならセンテンスが構文的に、またその状況で意味が通るのか、これを瞬間的に判断するのがあなた英語の基礎の土台なのです。
Q. 音声変化はアメリカ英語に多いそうですが、この教材はイギリス英語のリスニングには役立たない?
A. イギリス英語のリスニングも役立ちますが限界があります。アメリカ英語・イギリス英語共通の音声変化も多数ありますが、イギリス人と話す機会の多い方はイギリス英語のリスニング訓練も集中的に行ったほうがよいです。ちなみにイギリス英語はアメリカ英語ほどには音が変化しません。でも、かつての階級や地域による発音のバリエーションが非常に多彩で、それがリスニングのハードルとなりがちです。
■イギリス英語の発音とリスニングの基本を習得するには次の書籍がお勧めです。 1.「イギリス英語でしゃべりたい! UK発音パーフェクトガイド (CD付) 単行本 小川 直樹 (著)」 2.「CD付 究極のイギリス英語リスニング Deluxe―6000語レベルでUK英語探究 単行本 英語出版編集部 (編集)」 → Received Pronunciation(RP:容認発音)以外の訛りも含められています。

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